福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは外傷性気胸です。

外傷性気胸とは外傷によって胸腔内に空気が入った状態です。

胸壁と肺の間に空気が貯まってしまうので肺が膨らみづらくなり、呼吸が苦しくなります。

外傷性気胸には開放性気胸と閉塞性気胸があります。

開放性気胸は胸に穴があいてしまって、外から空気が入ってしまう状態です。

閉塞性気胸は肺や気管などに穴があいて、空気が胸腔に漏れてしまう状態です。

外傷性気胸の多くは交通事故で、ほとんどが閉塞性気胸といわれています。

交通事故で緊急に運ばれた雑種犬くんです。

大きな傷はなかったですが、元気はなく呼吸が苦しそうでした。

胸部レントゲン検査をおこなったところ、

気胸が認められました。

緊急的に胸腔に針を刺して(胸腔穿刺)により胸腔内の空気を抜きました。

何度か胸腔穿刺をおこない、第5病日には気胸は改善しました。

肺の損傷部位が修復されるまでの期間は通常3~5日といわれています。

外傷性気胸は適切なモニターおよび処置がおこなえば、一般的に予後良好です。

交通事故で大きな傷がなくても、内臓に異常を起こしている可能性がありますので、

当たり前ですが、急いで受診しましょう!

ヒトも、動物も、交通事故がない世界になってほしいですね。。。