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2025.03.25
ニキビダニ症(毛包虫症)
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「ニキビダニ症(毛包虫症)」です。
犬ちゃんに多く、猫さんはまれです。
ニキビダニは毛包に常在する寄生虫です。
したがって、みんな持っています💦
ニキビダニが増えて皮膚病が起こる疾患で、脱毛、フケなどの症状が出てきます。
老齢のシーズーちゃんが足の指から出血して痛そうということで来院しました。
皮膚の検査をしたら、ニキビダニが多数確認されました。
常在の寄生虫が増えるということは、何かしらの免疫が落ちるような原因があると
考える必要があります。
ニキビダニ症はヒトに感染することはなく、
また他の犬ちゃんや猫さんに感染することもありませんので、安心してください。
ちなみにヒトにも顔ダニっていますよね。ご存じですか?
2025.01.02
猫の潜在精巣(陰睾)
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです
今回のテーマは「猫の潜在精巣(陰睾)」です。
ネコさんでもまれですが、潜在精巣があります。
潜在精巣とは精巣(睾丸)が陰嚢に降りてこないことをいいます。
写真は右の精巣(矢印)は陰嚢にありますが、左の精巣が潜在精巣です。
潜在精巣は精子を作れないので、特にネコさんの潜在精巣はとても小さいので、見ただけではどこに潜在精巣があるかはわかりません。
したがって、手術で摘出する際にどこにあるかが、とても重要になります。
そこでエコー検査がとても有用です。
精巣のEcho所見としては精巣縦隔が線状高エコー性構造として確認できることが特徴です。簡単にいうと、やや黒い楕円形の真ん中に白い線がみえるのが精巣です。
この潜在精巣の大きさは6.8mmでした。
ちなみにネコさんの潜在精巣は多くは股の皮下に存在するので、触診でもわかることがありますよ☆
2024.11.04
ネコハジラミ
2024.08.13
指脱臼(猫)
2024.07.09
皮膚リンパ腫:口腔粘膜(犬)
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「皮膚リンパ腫:(犬)」です。
14歳齢のMIX犬くんが食欲ないということで来院しました。
身体検査により口腔粘膜が赤く腫れていました。
病理検査をおこなったところ、上皮向性皮膚リンパ腫と診断され、犬リンパ球クローン性解析ではT細胞性であることが確認されました。
つまり、リンパ腫というガンでした。
リンパ腫にはいろいろな部位で発生します。
皮膚リンパ腫は皮膚に発生するタイプだけでなく、皮膚粘膜移行部や粘膜に病変を形成するタイプがあります。
今回の口腔粘膜に病変を形成する皮膚リンパ腫でした。
腫瘤(しこり)を作らないことがあるので、見た目だけでは難しいとは思いますが、今回のように口の中の粘膜が全体的に赤くなっていれば、皮膚リンパ腫を疑うことができます。
食欲ないときは口の中も見てあげてください!
日頃から歯磨きしながら、口の中を観察できるといいですね☆
2024.04.29
膣過形成(犬)
2023.10.30
ジョイントマット 胃内異物摘出
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは前回の続きで「ジョイントマット:胃内異物摘出」です。
動物はときに信じられないものを食べてしまいます。
生後2ヶ月齢、体重が800gのトイ・プードル君がジョイントマットを食べてしまって、吐いて、食欲がなくなっていました。
レントゲン検査、超音波検査により胃内にあることが確認されました。
そこで内視鏡下にて摘出を選択しました。
0.8kgの大きさでも内視鏡スコープは入ります!!!
ただ、胃はまだ小さいので内視鏡操作が難しいのです。。。
内視鏡下胃内異物の摘出にはいろいろな鉗子がありますが、
小さいジョイントマットは滑りやすく掴むことが難しいです。
そこで、W字型把持鉗子を使ってみると、しっかり掴むことができ、容易に摘出することができました!
W字型把持鉗子はコインやボタン電池などの平らな異物の摘出に使いますが、前端の爪が短くてW字形状となっています。
異物の大きさや材質によって、摘出方法が変わります。
もし、異物を飲み込んでしまったときは、どのくらいの大きさなのか、どのような材質なのかを教えてもらえると助かります!
ジョイントマットは誤飲が多いので、気をつけてくださいね☆
ワンちゃんも猫さんも食べてしまいますが、なぜでしょう・・・?
2023.10.01
ジョイントマット 誤食
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「ジョイントマット:誤食」です。
動物はときに信じられないものを食べてしまいます。
ジョイントマットは安価で、簡単に設置が可能で、また、汚れた部分だけ外すこともでき、お手入れも簡単なので、ペットがいる家庭ではよく使われるアイテムです。
でも、そのジョイントマットを食べてしまうことがあります。
以前にもこのブログで、猫さんが食べて腸閉塞を引き起こしたことを紹介しました。
今回は体重が0.86kgの生後2ヶ月のトイ・プードルくんが昨日から食欲がなくなって吐いているということで来院しました。
レントゲン検査では胃の中に黒い物体が確認されました。
このジョイントマットはスポンジみたいな素材で、中に空気が入っているので、レントゲンでは黒く写ります。
やっぱり、ジョイントマットは誤食が多いので、気をつけた方が良さそうですね!
次回はこの体重が1kgもないプードルくんから、どうやって胃の中のジョイントマットを取り出したかを紹介しようと思います!
2023.07.10
舌の線維性ポリープ(犬)
糸島市・福岡市西区:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「舌の線維性ポリープ(犬)」です。
犬において舌に腫瘍ができることがあります。。。
日頃から観察するところではないので、発見が遅れることが多いと思います。
12歳齢のシーズーちゃんが健康診断で来院しました。
口の中を見てみると舌に腫瘤が認められました。
摘出したところ、線維性ポリープでした。
線維性ポリープは歯石や噛み合わせなど、慢性的な刺激によって発生する良性の病変です。
したがって、摘出すれば予後は良好です!
しかし、再び慢性的な刺激が起きれば、新しい病変ができるかもしれません!
お口の中のケアが必要ですね。
難しいかもしれませんが、たまには舌も観察してください☆
2023.05.04
特発性三叉神経麻痺(犬)
特発性三叉神経麻痺
福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「特発性三叉神経麻痺(犬)」です。
原因は不明ですが、急に口を閉じられなくなってしまう疾患です。
なので、水を上手に飲めなくなります。
アゴが閉まらないので、お水の器に大量のヨダレが貯まっていたりもします。
よく観察すると常に口が開いたままになっています!
(下顎の下垂)
急にアゴが開いたままになってしまい、ビックリするかもしれませんが、
落ち着いてアゴを動かしてみて、ちゃんと動くかどうか?痛みはないのか?
確認してみてくださいね。
この疾患では痛みはありません!
特発性三叉神経麻痺では舌を動かすことは可能なので、補助的に食餌やお水を与えることで
予後は良好です。
多くは約3週間で自然回復します。しっかりサポートしてあげましょう☆