福岡市西区/糸島市:かじ動物クリニックです。
今回のテーマは「LGL:大顆粒性リンパ腫(猫)」です。
リンパ腫とは骨髄以外のリンパ器官などの組織を原発とする腫瘍性増殖疾患のことで、猫さんに最も多くみられるガンです。
このリンパ腫の中にLGL:大顆粒性リンパ腫があります。
猫のリンパ腫の7.5~15%がLGLであり、リンパ腫の中でも予後が最も悪いタイプです。。。
LGLの特徴はリンパ球の細胞質内に複数のアズール顆粒(赤紫色の顆粒)を持っていることです。
14歳齢の猫さんが約1週間前より食欲不振、吐くということで来院しました。
腹部超音波検査により腸間膜リンパ節が腫れていること以外は特に異常はありませんでした。
血液検査をおこなったところ、血液塗抹検査によりLGLの形態を示すリンパ芽球が多数確認されました。
(血液塗抹検査とは血液を薄くのばして、染色して顕微鏡で血球の形態観察する検査です。)
LGLの可能性があったため、麻酔下において腹腔内リンパ節や肝臓の細胞診検査をおこなったところ、血液検査と同様なリンパ芽球が認められました。
血液検査がきっかけでLGLと診断することができました。
今回の猫さんのように血液検査により腫瘍細胞が分かることがありますので、血液塗抹検査も重要な検査です!
血液検査には時間がかかり、待っていただかないといけませんが、とても有用な検査なので、ご理解をお願いいたします☆