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ブログ

2019.08.23

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:SFTSです。

主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症です。

マダニ

ヒトではSFTSウイルス(SFTSV)に感染すると6日〜2週間の潜伏期を経て、発熱、消化器症状が起こり、検査所見上は白血球減少、血小板減少、AST・ALT・LDHの血清逸脱酵素の上昇が多くの症例で認められます。致死率は6.3〜30%と報告されています。

SFTSはヒトだけでなく、犬や猫にもSFTSの発症が報告されています。

残念なことに西日本のみでの発生となっています。。。

恐いことに、ネコでは重症化しやすく、致死率は60%です。

ヒトと同じで、基本的にマダニの咬傷によって感染します。

野外に出るネコちゃん、ワンちゃんに感染リスクがあります。

治療法はヒトも動物も特異的な治療は確立されていません。。。

なので、予防が重要です!

マダニは血を吸うだけでなく、病気を運ぶので、定期的なマダニの予防をしましょう☆

飼い主さんも、動物も、みんなが感染症にならないように!!!

 

2019.07.22

ネコの皮膚型肥満細胞腫

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマはネコの皮膚型肥満細胞腫です。

ネコの皮膚の腫瘍の中で2番目に多い腫瘍です。

ネコの皮膚型肥満細胞腫には肥満細胞型と非定型(組織球型)に分けられ、肥満細胞型はさらに高分化型と未分化型に分類されます。

ネコの皮膚に発生する肥満細胞腫の多くは肥満細胞型の高分化型で、予後は良好です。

(イヌの皮膚に発生する肥満細胞腫は、多くは悪い腫瘍なので、全く違います!)

頭部(耳に多い)、頚部や体幹に多く発生します。

手術で取り除けば、予後が良いので早めに見つけてあげましょう!

 ネコMCT

こんなに小さい肥満細胞腫を気づいた飼い主さんは本当に素晴らしいですね☆

2019.06.12

リンゴ(食道内異物)

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマはリンゴ:食道内異物です。

犬がリンゴを食べても基本的に問題はありません。

中毒性はありません。

しかし、リンゴが食道に詰まることがあります!!!(食道内異物

食道内異物は緊急疾患で、急いで処置をしないと食道に穴が空いてしまうこともあります(食道穿孔)。 

食道に詰まらせると吐き気、吐出、唾液分泌過多、嚥下障害、嚥下痛、食欲不振、嗜眠などが認められます。

 山田リンゴ 造影

造影剤を用いたレントゲン検査において、食道に造影欠損像を確認することで診断できます。

山田リンゴ 内視鏡

治療は急いで内視鏡を用いて食道内異物を取り出します!!!

食道内異物はやはり小型犬(チワワ、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、シーズーなど)に多いです!

小型犬にリンゴをあげるときは、なるべく小さく切ってあげてくださいね☆

「んがっんん」ってならないようにしましょう!

2019.04.09

炎症性結直腸ポリープ

福岡市西区・糸島市:かじ動物クリニックです。

今回のテーマは炎症性結直腸ポリープです。

犬において大腸の結直腸にポリープができることがあります。

特にミニチュア・ダックスフンド男の子に多いといわれています。

炎症性ポリープ

写真は内視鏡検査の画像です。

病態は残念ながら、いまだ解明されていません。。。

治療は免疫抑制療法に比較的に反応します!

しかし、ほとんどが再発するので、生涯にわたる治療が必要となります。。。

この病気の症状は血便、しぶり、便が細いなどがあります。

下痢をしていないのに、便に血が混ざったり、便の最後に血がついたりします!

なので、便をなにげなく片付けていると見逃してしまうこともあります。

ちゃんと、うんこちゃんも見てあげてくださいね☆

この疾患はまれではありますが、日頃からの観察が病気の早期発見に繋がります!!!

2019.03.03

手縫い針:ネコの誤飲

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

動物はときに信じられないものを飲み込んでしまうことがあります。

今回のテーマは手縫い針:ネコの誤飲です。

ネコは基本的に異物(食べ物ではないもの)を摂取することはまれです。

このネコは急に食欲がなくなったという主訴で来院しました。

レントゲン検査をしてみると

迫田 針 

口の中に手縫い針。

なぜ、飲み込んだのでしょう?

全身麻酔下ですぐに除去すると

 迫田写真

やっぱり、糸がついてました。。。

ネコは糸などのヒモ状異物は遊びながら誤飲してしまうことがあります!

手縫い針に糸がついていると、遊びながら一緒に飲み込んでしまうことがあるんです!

ネコが急に食欲がなくなったときは、まれですが、異物摂取も疑ってください!

 

2019.02.01

免疫介在性血小板減少症(IMT)

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは免疫介在性血小板減少症(IMT)です。

血小板とは血液中の細胞で血を止める役割をしています。

免疫介在性血小板減少症とは自分で自分自身の血小板を破壊して、血が止まらない病気です。

症状は皮膚に紫斑(内出血が起きて紫色:青アザ)、点状出血が認められたり、その他、鼻出血や血尿などもあります。

紫斑

写真はお腹に認められた紫斑です。

治療は免疫抑制療法が必要になります。

治療に反応するまで3~10日かかり、死亡率は約30%といわれおり、恐い病気です!

治療は3~6ヶ月以上継続する必要がありますが、一度血小板数が正常にもどれば予後はかなり良好です!!!

IMTの原因の多くは不明なので、再発の危険性はあります。。。

なので、休薬しても定期検診が必要になります。

IMTは急に発症するので、心当たりのない青アザを見つけたときは獣医さんに相談しましょう。

日頃からお腹を触りながら、皮膚チェックしましょうね☆

2018.12.10

釣り針:誤飲

福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

動物はときに信じられないものを飲み込んでしまうことがあります。

今回のテーマは釣り針です。

釣り針は金属なので、誤飲したかどうかはレントゲン検査で明らかにわかります。

サンタVDブログ

サンタlateブログ

問題点は釣り針が食道や胃に刺さってしまうことがあり、また釣り針には「かえし」があるので、針が刺さると簡単に抜けないことです。

なので、犬や猫が釣り針を飲み込んだ場合、除去が難しいことがあります!!

内視鏡で摘出できることもありますが、手術が必要になるケースもあります。特に食道や胃を突き破って刺さっている場合は内視鏡下での摘出は困難になります。

釣り針の誤飲は一般的に拾い食いでおこるため、日頃の散歩から拾い食いをしなようにしつけをしましょう☆

 釣り針 針

ちなみにレントゲンのワンちゃんは胃から突き破って刺さっていたので、緊急手術となりました。。。術後は元気になりましたよ!

2018.10.22

ネブライザー療法

福岡県西区・糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマはネブライザー療法です。

ネブライザー療法は咳や鼻汁が出る子におこなわれる治療法です。

薬液を細かい霧状にして、口や鼻から吸入する治療をネブライザー療法といいます。

霧状(エアロゾル)にした薬液が鼻腔、副鼻腔、のど、気管、気管支や肺胞までとどきます。

なので、鼻炎、上部気道炎、喘息、気管支肺炎などの治療に効果があります!

ヒトでもおこなわれている治療法です!

長所:

①即効性がある

②基礎疾患(たとえば、糖尿病や腎不全など)があっても治療可能

③抗菌薬を安全に投与できる

④慢性呼吸器疾患にも有効

短所:

動物は自分で霧状にした薬液を吸ってくれないので、密閉した部屋(下の写真)にお薬を充満させて、その中に入ってもらいます。

ネブライザー

時間は20〜25分くらいです。

密閉した部屋だから恐いかもしれないけど・・・少しの時間だから、我慢してね☆

2018.09.12

凍結外科

福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは凍結外科です。

 

凍結外科とは、瞬間凍結して細胞を破壊し、標的とする小さな腫瘤(できもの:イボなど)を自然脱落させて、小さくさせる方法です。

この方法は安全でかつ短時間でおこなうことができて、麻酔の必要性がないため、心臓の弱い子や高齢の動物も適応する事が出来ます!

17歳のトイ・プードルで足の裏にできものができ、そこから汁が出て本人が気にして舐めているということで来院しました。

全身麻酔をかけることができませんでしたので、凍結外科をおこないました。

治療前(矢印のところ)

凍結外科 治療前2

 

3回凍結外科をおこない、治療後はできものが消失しました!

凍結外科 治療後

当院では手軽に凍結外科ができるように開発された医療機器のクリオアルファを用いておこなっています。

凍結外科

平均的な治療回数は、3回くらいになります。

ただし、大きな腫瘤(できもの)や発生部位によってはできません。

まずは、治療対象かどうかの判断が必要になりますので、お気軽にご相談ください!

2018.08.03

輸血

福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。

今回のテーマは輸血です。

 

犬や猫の動物においても輸血はおこなわれます。

大量出血、貧血、血液凝固異常(血が止まらない病気)などの病気に必要になります。

輸血は病気を根本的に治すわけではありませんが、

生命の危機にさらされる状況ですので、輸血はとても必要な治療法です。

 

ただし、ヒトの医療と大きな違いは、日本では動物の血液バンクが存在しないことです!

したがって、輸血をおこなう場合はその動物病院自身で血液を確保しなければならないのです。

 

幸い、当院では協力していただける大型犬やブリーダーさんがいらっしゃいますのでとても助かっています!!!

 

でも、ご協力いただける大型犬(供血犬)がもっと増えるととても心強いです!!!

 

輸血で救える命がありますので、是非ご協力をお願いします☆

協力したい方は当院スタッフに声をおかけてください。

 

ちなみに小型犬は身体が小さいので、供血犬には、なれませんが、

「動物の血液バンクがないこと」を多くの人に伝えることが協力の一つとなりますm(_ _)m

よろしくお願いします☆