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2017.06.25
誤食:胃内異物(PTP)
福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「誤食:胃内異物(PTP)」です。
動物は時に信じられないものを食べてしまいます。
でも、ヒトでも誤食はあり、その中でも錠剤やカプセルを包装する
PTP(press through package)をまちがって飲み込んでしまうことがあります。
ヒトにおいてPTPを誤食して消化管穿孔が起こった報告があります。
消化管穿孔とは消化管(食道、胃、腸)に穴が空いてしまう恐い状態です。
動物は自ら薬を飲むわけではないので、PTPの誤食の可能性は低いと思ってしまうのですが、やっぱりあります。
PTPは辺縁が鋭利なので、動物においても消化管穿孔するリスクがありますので、誤食したときは近くの動物病院に急いで相談しましょう。
そのとき、慌ててご飯やおやつをあげないようにしてください!
胃の中に食べ物が入っていると内視鏡ができません!
ご注意ください!!!
2017.05.27
胃拡張捻転症候群 GDV
福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「胃拡張捻転症候群」です。
この病気は胃が異常な拡張および捻転により、血管系の圧迫や大量の胃液の排出などによりショックに陥り、短時間で死に至る救急疾患です。
簡単に言うと胃がねじれて回転してパンパンに膨れる状態です。
大型犬で中齢〜老齢に多いといわれていますが、小型犬(ダックスやシーズーなど)や猫でも発症することがあります。
症状は吐き気、嘔吐です。
治療は可能な限り迅速な手術が必要となります!!!
死亡率が45%という報告もあり、とても危険な病気なので知っておきましょう!
頻回の吐き気・嘔吐があるときは胃拡張捻転症候群も考えて対応してください!
2017.04.28
膀胱結石
福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「膀胱結石」です。
膀胱に結石ができると、オシッコに血が混じったり(血尿)、何度もトイレに行くけど少ししかオシッコが出ない(頻尿)などの症状が起きます。
しかし、膀胱炎でも同じ症状を示すので、症状だけでは区別できません!
ちゃんと検査をして治療をしましょう。
膀胱結石が大きくなると手術しないと治らないので、オシッコがいつもと違うときは早めに相談しましょう!
ちなみに膀胱結石の治療において結石の除去がゴールではなく、再発予防がより大切です!!!
水分摂取量を増やし、食事療法をおこなって、定期的に検査をしましょう。
2017.03.25
猫の乳腺腫瘍
福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「猫の乳腺腫瘍」です。
猫の乳腺にしこりができたら、まずガンが疑われます。
猫はほとんどが乳腺癌です。
しかし、子猫のうちに避妊手術をすると乳腺腫瘍の発生率を下げることができます!(犬と一緒ですね!)
6ヶ月齢未満以前:91%低下
7~12ヶ月齢:86%低下
13~24ヶ月齢:11%低下
24ヶ月以降:避妊手術の効果なし
*避妊手術をするならば早めに手術することをおすすめします!
でも、もし乳腺癌ができてしまったら・・・
早期摘出(手術)が一番の治療になります!!!
腫瘍の大きさが2cm以下であれば、生存期間(中央値)が4.5年という報告もあるので、あきらめないでください!!!
日頃からいっぱい触ってあげて、早く気づいてあげましょう!
2017.02.21
犬の乳腺腫瘍の発生率
福岡県西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは前回のつづきで「犬の乳腺腫瘍の発生率」です。
乳腺腫瘍は未避妊(避妊手術をしていない)メスで最も多くみられる腫瘍です。
性ホルモンが乳腺腫瘍の発生に関与しています。
未避妊メスは避妊したメスに比べて、乳腺腫瘍の発生リスクは7倍になります!
乳腺腫瘍の発生リスクを下げる方法として避妊手術をする時期と関連があります。
避妊手術する時期 | 乳腺腫瘍の発生率(%) |
初回発情の前 | 0.05 |
初回発情と2度目の発情の間 | 8 |
2度目の発情の後 | 26 |
2度目の発情より前に避妊手術をすると乳腺腫瘍のリスクが減少します!
これは有名な話なので、知っておきましょう☆
写真は左側の乳腺を全部摘出したヨーキーさんです。
手術後の傷跡はあまり目立たないので、もし乳腺腫瘍がいっぱいできていても、あきらめずにしっかり治療しましょう!
この子は完治しましたよ☆
2017.01.31
犬の乳腺腫瘍
福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「犬の乳腺腫瘍」です。
乳腺腫瘍とはおっぱいのできものです。
犬の乳腺腫瘍にも良性と悪性があります。
良性と悪性の割合は1:1といわれていましたが、
最近の日本でのデータでは良性:悪性が2:1の割合で良性の方が多いという報告がでました!
良性であれば命に影響はありませんので、少し安心できますね☆
ただ、良性だからと言ってほっといてはいけません。。。
良性腫瘍でも徐々に大きくなりますし、薬などで小さくなりません!
良性腫瘍でもこの写真のように大きくなることもあります。
ちなみに乳腺腫瘍が良性なのか悪性なのかは病理組織検査でしかわかりませんので、見た目で判断はできません。。。
しかし!もし悪性であっても、まだ小さいうちに手術すれば完治できるので、日頃からいっぱい触ってあげて、早期に発見しましょう!
2016.12.21
難産・帝王切開
福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「難産・帝王切開」です。
犬や猫でも難産はあります!
特に小型犬や短頭種(鼻が短い犬)は多く、お産前に定期検診が必要です。
難産はヒトと同じように緊急処置が必要となります。
犬の難産において助産や薬での成功率は約30%といわれているので、
帝王切開が必要となるケースも多いです。。。
帝王切開は緊急手術なので、病院スタッフのチームワークがとても重要です!
お産前はかかりつけの先生とよく相談しておきましょう☆
写真は帝王切開で産まれてきたブルドッグの赤ちゃんです☆
憎めない顔して、カワイイでしょ〜♬
2016.11.22
種(柿の種):胃内異物
福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「種」です。
みなさんご存じとは思いますが、種は消化できません。
小さな種であれば、うんちと一緒に出てきますが、
大きな種だと胃の中に残ったり、腸に詰まったりします。
特に小型犬だと小さな種でも詰まることがあります!
「柿の種を食べて吐いている」小型犬が来院しました。
吐いても吐いても柿の種は出てきませんでしたので、
内視鏡を使って摘出することにしました。
バスケット鉗子を使って取り除くことができました☆
種を食べてしまったときも、危険なときがありますので、
注意してくださいね!!!
2016.10.22
胃内異物(誤飲)
福岡市西区/糸島市のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「胃内異物(誤飲)」です。
動物はときに信じられないものを飲み込んでしまうことがあります。。。
特に消化できない大きなものでは吐いても出てきませんし、便にも出てきません。
治療は取り除く必要があるのですが、胃を切開(手術)しなくても
内視鏡で除去できることがあります!
動物のために、なるべく痛みのない治療を!!!
またその日に退院することができることも利点ですね☆
注意点は異物を飲み込んだときは食事をあげないで来院することです!
胃の中に食事があると内視鏡はできません。。。
2016.09.26
猫の口内炎(歯肉口内炎)
福岡市西区・糸島市の動物病院のかじ動物クリニックです。
今回のテーマは「猫の口内炎(歯肉口内炎)」です。
ヒトでは口内炎って治るイメージですが、
ネコさんの口内炎は完治することが難しく、
以前から「難治性口内炎」といわれていて、
世界中の獣医師を悩ます疾患なのです。。。
また、明らかな原因もわかっていません。
この病気は歯周病と併発することが多く、
歯垢や歯石の増加にともなって、この病気の発生率も高くなるという
報告もあります。
ネコさんもオーラルケアが重要ですね!
ちなみに猫の歯肉口内炎では歯垢・歯石除去だけおこなっても、
完治することは難しいです。。。
いろいろな治療法があるので、話し合う必要があります!!!